インボイス制度 クラウドワークスの対応は? ワーカーへの回答まとめ

2023年9月23日

インボイス制度 クラウドワークス ワーカーへの回答まとめ

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2023年10月1日より始まるインボイス制度
まだ登録していないという方も多いと思います。

制度の内容が良く分からない
消費税を納税できるほど収入がない
確定申告だけでも大変なのに、これ以上手続きが増えるのは嫌だ、などなど。

クラウドワークスだけで活動してるんだけど、その場合でもインボイスに登録しなきゃいけないの?
課税売上高が1,000万円に満たない免税事業者なんだけど…。

こういった疑問をお持ちの方も多いと思います。

今回は、2023年5月23日に実施された「クラウドワークス利用者のためのインボイス制度セミナー」に届いた質問への回答動画をわかりやすく解説いたしました。

クラウドワークスに登録して活動されている方の参考になったら嬉しいです!

なお、2023年10月1日から登録を受けるためには、2023年9月29日までに手続きが必要になります。
※国税庁の公式ホームページで9月30日までとなっていますが、9月30日は土曜日のため、前日までの手続きが安全のようです。

インボイス制度が始まる令和5年10月1日から登録を受けようとする事業者は、令和5年9月30日(同日は土曜日ですが、10月2日(月)に延長されません。)までに納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(令和5年9月30日までに提出した場合は、制度開始日である令和5年10月1日までに登録通知が届かなかった場合であっても、同日から登録を受けたものとみなされます。)

郵送による提出の場合、令和5年9月30日までの通信日付印があるものまでが、令和5年10月1日の登録を受けることができます。

国税庁ホームページ

インボイス制度については、国税庁の公式ホームページをご確認ください。

また、クラウドワークスに登録して活動されている方に知っていただきたい、直接毛薬や直接連絡についてまとめた記事がございますのでご覧いただけたら嬉しいです!

ちなみに私は9月29日ギリギリですが、e-Taxにて登録を行いました。
審査の結果次第ですが、インボイス登録業者として活動することを決めました。

Contents(目次)

インボイスの登録・解除について

インボイスに登録したものの、やっぱり解除したい!
解除する場合の注意点は?
インボイス番号の活用方法ってあるの?
上記のような質問に対するクラウドワークスの回答です。

動画で話された内容を基本に、語尾などを変えて掲載させていただいております。

登録しても解除できますか?

A.解除は可能です。

ただし、解除するタイミングによって効力が失われる時期が異なる。

  1. 2023年9月30日までに所轄のインボイス登録センターにて「登録申請書の取り下げ証」を提出すれば10月1日以降も免税事業者のままでいられるようになります。
  2. 注意が必要なのが、10月1日以降にインボイス事業者をやめる場合です。
    手続きとしては「登録の取り消し」という、1の「登録申請書の取り下げ証」とはちょっと違う手続きが必要になります。

※制度が始まってしまうと、「明日からやめます」が不可能になります。
やめられるのは最短でも翌年。
「翌年事業年度」という制度が関わってくるため、翌年以降取り消しということになります。

こちらのサイトで詳しく解説されています。

登録だけして、活用しなくても良いのでしょうか?

Q.インボイス登録事業者になったワーカーが、クラウドワークス上にインボイスの登録した旨を公表をしない、取引先に伝えない場合はどうなるの?

A、インボイスの登録をしたら、活用した方が良い。

【理由】
インボイス登録をしたというだけで課税事業者の扱いになるため、確定申告の時に消費税の申告や納税の義務が発生する。
活用するしない関係なく、上記のような手続きが必要になるため。

以上のことを認識したうえで、クライアントに自分が「インボイス登録事業者ですよ」と伝えるかどうか。
クラウドワークス上でインボイス登録事業者としての登録申請をしなければならない、という取り決めはないものの、クライアントがインボイスを求めていたら提出しなければならない。

インボイス事業者と取引をしたいと思っているクライアントの方がいらっしゃると思うので、せっかく登録したのであれば活用した方が良い。
クライアントさんにも伝えた方がメリットは多いのではないかと考えています。

※クライアントにとってはインボイス事業者との取引に対して、メリットはあれどデメリットはない。

仕入税額控除とは?帳簿のつけ方について

こちらでは消費税について、また勘定科目等への質問と回答についてまとめさせていただきました。

勘定科目についてはデリケートな問題のため、回答が難しいということでした。
インボイスに登録した際は、最寄りの税務署に相談することをおすすめします。

仕入控除額控除についてもう少し詳しく教えてもらえますか?

「50%って、どの部分の50%の控除のこと?」

A、仕入先の消費税、下の図で言うと支払った分の200円分の方が控除の対象額になる。

仕入税額控除について

【事業者】(売上)商品代金3,000円+消費税300円
【仕入先】(仕入)代金1,000円+消費税100円
50%の場合は100円の50%、つまり50円が控除対象になる。

50%控除の時期にこの図で解説すると、300円-50円=250円
納税すべき消費税額は250円ということになる。

経過措置 図解イラスト
経過措置後はどうなる?

経過措置終了後、非インボイス事業者の方に対して支払った消費税額は100円全額が控除の対象外となります。
事業主が仕入先の方に消費税100円払っていたとしても、仕入先が仕入時に支払った消費税に対して納税を行わないため、消費税額300円をそのまま納税するといった形になります。

帳簿の書き方について、「仮払消費税」「仮受消費税」勘定を使えばよいのでしょうか?

A、国税庁から「帳簿の記帳の仕方」という資料が出ているのでそちらをご覧ください。
詳しくは税理士、最寄りの税務署に確認をお願いします。

帳簿の記帳の仕方国税庁

インボイス登録:個人情報の公開について

Q、登録によって個人情報が公開されてしまうか心配です。

インボイスに登録すると、国税庁のホームページに登録事業者の情報が公開されます。
本名や住所が公開されるかもしれないと思うと不安ですよね。

国税庁のホームページで個人情報がどこまで公開されるのか、またクラウドワークスではクライアントに対して個人情報が公開されるのかについて回答がありました。

  • 国税庁のホームページ:個人の場合は基本的に氏名のみの公表
  • クラウドワークス:媒介者交付特例により、クラウドワークス上でクライアントに請求書を発行する際に、ワーカー自身の登録番号ではなく、媒介者となるクラウドワークスの登録番号を記載すればよいという風になる。
    ※クラウドワークスを利用した場合、クライアントに自身の氏名が公表されることなくインボイスの発行が可能になります。
    つまり、匿名性が保持されるということでした。

ちなみにペンネーム(屋号)だけを公開するということは、現時点では不可能のようです。
ペンネームと本名の両方が公開されてしまうため、身バレの危険性があります。
インボイス制度における個人情報の公開に関する情報が更新され次第、追記していきたいと思います。

インボイス事業者になる基準:副業、仕入なし等々

「仕入れをしていないから、インボイスは関係ないよ」
「副業だし、月に1万円稼げるかどうかだよ」
「学生なんだけど、登録しなきゃいけないのかな?」

私もイラストレーターとして活動しているので、物品の仕入などは行っていません。

「仕入を行っていないから、登録は必要ないのでは?」

そう考えていました。
しかし、仕入とは物品の購入だけではないことがクラウドワークスの回答で明らかになりました。

自分は仕入をしていないので、インボイス申請は不要でしょうか?

A、仕入をしているかどうかが、インボイスを登録するかどうかの判断基準にはなりません。

ワーカーがインボイス登録事業者かどうかによって、クライアントさんが仕入税額控除を利用できるかどうかが変わります。

つまり、ワーカー自身のためというよりもクライアントさんのためにインボイス登録事業者になるということのようです。

インボイス登録事業者になった場合は、ワーカー自身も仕入税額控除を利用できるようになります。

「仕入」とあるため、物品の仕入という印象が強いが、支払った経費に関しても該当するため、経費に対して仕入税額控除を利用できる場合があるそうです。

こちらのサイトで詳しく解説されていますので、ご覧ください。

どのくらい売り上げがあるならインボイス事業者登録すべきですか?

  • 月の収入は2,000円ほど
  • 学生
  • 副業

課税売上高が1,000万円を超えた場合に、課税事業者として消費税の納税義務が生じます。
ではインボイス事業者として登録する場合は?

A、いくら稼いだかによって登録すべきかという基準がない。

インボイス事業者に登録すると、消費税の納税義務が発生したり、手続きが増えてしまいます。
個別状況によるため、詳しく知りたい方は税理士さんや最寄りの税務署にお問い合わせください。

免税事業者として1割減で提供するのと、課税事業者になって1割増で提供するだったらどっちが課税事業者のクライアントにとっていいんでしょうか?

A,クライアントさんの個別状況による。
クライアントさんに一度相談してみるのが一番。

経理、金銭面、明確なお金のところ以外でも影響が出てくる部分があるため、それぞれのクライアントさんによって事情が変わってきます。

フリーではなく、会社員として副業をやっている場合どのように考えるべきでしょうか?

A、副業の場合もクライアント側でインボイスの提出を求めている場合は、インボイスの登録を検討しても良いかもしれない。

自分はワーカーですが、自分から他の人に作業を依頼することもあります。この場合自分もインボイス登録した方が良いのでしょうか。

A、個人間の取引の場合はインボイス不要。

「作業依頼するからインボイス登録した方がいいよ」といったことはないそうです。

クライアントさんがインボイスの提出を希望しているかどうかというところがインボイス登録の分かれ道!

海外在住でも、日本の事業者との業務委託契約だとインボイス制度は関係ありますか?

A、海外に住んでいて、日本の会社と取引をする場合はインボイス制度の対象外。

海外の事業者との取引の場合は、現地の制度に従う。
クラウドワークスでは回答できないため、個人で調べる必要があります。

クラウドワークスで活動する場合は?

クラウドワークスで活動する場合、免税事業者のままでいるのが良いのか、インボイス事業者として活動した方が良いのか。
また、消費税はどう考えたらよい?

インボイス事業者として登録するかどうかは、ワーカー自身の判断というのがクラウドワークスの回答でした。

クラウドワークスで免税事業者として活動する場合どうなりますか?

インボイス登録事業者にならず、免税事業者のままクラウドワークスで活動すると、消費税はもらえなくなってしまうのではないかという不安からの質問です。

A、今まで通り免税事業者に対しても、消費税はワーカー様に報酬としてお渡しいたします。

その理由は、免税事業者の方が消費税を請求することについて、明確に禁止している法律がないからです。

クライアントさんに消費税を請求しないようにしたい

A、こちらのように、消費税を請求しないといった機能の実装は検討していない。

クラウドワークス社もインボイス番号あるのにワーカーもインボイス登録する必要あるの?

「なぜワーカーにインボイス制度の登録が必要なのかわかりません。」

A、クラウドワークスでの利用規約上、クラウドワークスでの業務の契約関係はクライアントとワーカー2者間の契約ということになっている。

インボイス請求書の発行に当たって、クラウドワークスは媒介者のためワーカーの代わりに請求書を発行してあげているといった形になっています。

ワーカーがインボイス事業者であるということが確認できない限り、クラウドワークス側からクライアントに対してインボイスを発行することはできません。

つまり、ワーカー自身がインボイス事業者でなければクライアントに対してインボイスを発行しないということでした。

※インボイス事業者になった場合は、クラウドワークス上でも登録等が必要になります。

自分がインボイス事業者でない場合、クラウドワークスでは消費税額分を受け取れないということになりますか?

A、インボイス事業者ではない(免税事業者)場合でも、消費税分の支払いは今まで通り行う。

「クラウドワークスで免税事業者として活動する場合どうなりますか?」に対する回答と同じになります。

主にコンペに参加している場合でも影響はありますか?

A、クライアント側がインボイス事業者との取引を希望している可能性がある。

発注形式で調べた結果、コンペ形式でもインボイス発行を希望している方が法人で9%。(クラウドワークス調べ)

多くはないですが、インボイスの発行を希望されるクライアントさんがいることは確かなようです。

クライアントさんごとに考えが違うため一概には言えません。相談や交渉が必要なようです。

なぜインボイス事業者かどうかをプロフィール上に表示するのですか?

A、インボイス事業者かどうかをプロフィール上などに載せなかった場合、インボイスの提出を希望しているクライアントさんからの依頼が自分にあったのに、断らざるを得ない状況が起きてくるかもしれないため。

場合によっては業務開始直前にやっとインボイス事業者だと分かることも。
マッチング体験の向上としてプロフィール上の表示をさせていただく、ということでした。

こちらはワーカーがインボイス事業者であることが前提のようです。
クライアント側から、インボイス事業者を見つけやすくするためにプロフィールに載せるということのようです。

ビズアシとの取引について教えてほしいです。

「ビズアシで企業に対してどのような方法で請求書が発行されているのか?」

A、ビズアシはクラウドワークスが運営している別のサービス。
クライアント(企業)からビズアシが受託して、ビズアシからアシスタント(ワーカー)に再委託するという契約形態です。
クライアントに対しての請求書はビズアシから請求書を発行しています。
インボイス番号はクラウドワークスの登録番号を記載しています。

逆にアシスタント(ワーカー)からビズアシに対しての請求書は発行不要。代わりにビズアシからアシスタントに対して「支払通知書」を発行する予定だそうです。

詳しくはビズアシの担当者にご確認いただきたいとのことでした。

インボイス制度に伴うクライアントさんとの単価交渉などについても、基本的にビズアシの担当者に問い合わせが必要なようです。

「インボイス制度 クラウドワークス ワーカーへの回答」のまとめ

一概に「こういう人は登録した方がいいんだよ」「登録しない方がいいんだよ」とは言えない、難しい制度です。

一人一人の状況に合わせた判断が必要になるというのが全体を通してのクラウドワークスの回答でした。

正直なところ、その判断が難しいですよね。

クラウドワークスの回答をまとめたこちらの記事が、インボイス事業者として登録する・しないの参考になればと思います。

▼クラウドワークスの「インボイス制度に伴う詳細な対応内容について」はこちら

▼国税庁 インボイス制度 特設サイトはこちら

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