イラスト・漫画制作依頼：参考画像でイメージ共有
イラストや漫画を描いてほしい！
だけど何をどう伝えたら良いか分からない
インターネット経由でイラストや漫画の依頼や発注ができるようになりましたが、
「依頼する際に制作者に対して何を伝えたらよいのか分からない」
という依頼者は多いと思います。
今回の記事ではイラストや漫画のイメージ共有に欠かせない、参考画像についてお話させていただきたいと思います。
イラスト発注を行う際の参考になったら嬉しいです！
イラスト・漫画制作の流れ
参考画像についての解説の前に、基本的なイラスト・マンガ制作の流れを説明させていただきたいと思います。
- お問い合わせ
- ご依頼内容の確認とお見積り
- 発注・ヒアリング
- 制作開始
- 納品
今回の記事でご紹介するのは発注の流れの中の、発注・ヒアリングの部分に当たります。
もちろんお問い合わせやご依頼内容の確認とお見積りの段階でも大丈夫です！
メールのみでのやり取りの場合、特に難しいのがイメージの共有です。
依頼者のイメージと、制作者側である私のイメージが異なっていた場合、依頼者が希望する成果物とかけ離れたものを制作してしまう可能性があります。
そうならないために準備していただきたいもの、それが参考画像(参考資料)です。
イラストの発注にあたり、参考画像の他にも使用用途や画像サイズ、画像解像度などの情報も必要になります。
今回の記事はその中の参考画像にフォーカスしています。
ご依頼については、こちらの記事をご覧ください。
参考画像・参考資料とは
参考画像や参考資料とは、イラストにしてほしいもの、商品やキャラクターのイメージを制作者に伝えるための見本です。
「20代くらいの女の人で、ヨガをしているイラストが欲しい」
この文章だけでのイラスト制作は正直言って難しいです。
仮にこの文章を元にイラストを制作しても、依頼者側が欲しいイラストになるかは疑問があります。
情報不足もその理由です。
この例では、「20代くらいの女の人」「ヨガをしている」ということしか分かりません。
- 髪型・髪色は？
- 体型は普通、やせ型、ふっくら？
- ヨガのポーズってどのポーズ？
- 服装は？
- 色味は？
上記にあげたように、イラストを制作する際に様々な情報が必要です。
言葉だけでも制作は可能ですが、参考画像があればより一層依頼者と制作者の間でのイメージ共有ができ、依頼者の希望するイラストの制作ができるようになります。
また商品販促用の漫画やイラストで、その商品を作中に登場させる場合は商品の写真をいただけると助かります。
どんな参考画像がほしい？
「参考画像が欲しいと言われても、どんなのが良いか分からないよ」
初めてイラストを発注される方がこういった疑問を持つのは仕方がないことだと思います。
「参考画像としてこういったものをいただけたら嬉しい！」
というものを、制作者側の視点からお伝えしたいと思います。
- 制作してほしいキャラクターやイラストのイメージに近い画像
- キャラクターにさせたいポーズの画像
- キャラクターにさせたい髪型や服装
キャラクターやイラストのラフ画などもありましたら、遠慮なくお送りください！
参考画像の用意の仕方
「参考画像が必要なのはわかったけど、どうやって準備したら良いか分からない」
そういった方向けに、画像の準備の仕方について解説いたします。
インターネットで画像検索
参考画像として使えるものが手元にない場合、力を発揮するのがインターネットでの画像検索です。
イラストのイメージに合った画像を見つけることができます。
ここではGoogleを利用した画像検索の方法をお伝えします。
検索欄にキャラクターにさせたいポーズなどのキーワードを入力します。
この時、検索欄に「イラスト」と入力すると写真だけではなくイラストも表示されるようになりますので、発注したいイラストのイメージに近いものが見つけやすくなります。
画像検索をする場合はフィルタを「すべて」ではなく、「画像」に切り替えて探すのがおススメです。
また、ツールをクリックするとサイズや色、種類、時間やライセンス等の絞り込みを行いながら検索することができます。
ツールフィルタで画像検索を簡単に
ツールフィルタを利用した絞り込みについて、それぞれ解説いたします。
サイズ
インターネット上にある画像について、全サイズ、大、中、アイコンとサイズごとの検索ができます。
色
すべての色、白黒、透明、12色(基本色)に基づいて検索することができます。
- 白黒：モノクロ、グレースケールの画像
- 透明：背景透過のPNG画像
- 基本色：選んだ色がメインの画像
種類
すべての種類、クリップアート、線画、GIFなど保存形式に基づいて検索することができます。
すべての種類とクリップアートはそこまで変わらないので、特徴的なものをご紹介いたします。
- 線画：イラスト(モノクロが多め、カラーもあり)
- GIF：保存形式がGIF形式のもの
時間
期間指定なし、1年以内から24時間以内にアップされたものと期間を絞って検索することができます。
最新の画像が欲しい場合は、1週間以内や24時間以内にチェックを入れて検索してみてはいかがでしょうか。
ライセンス
すべて、商用およびその他のライセンス、クリエイティブ・コモンズライセンスの3種類が選択できます。
「商用およびその他のライセンス」で検索すると、商用での利用も可能な画像に絞って検索することが可能になります。
「クリエイティブ・コモンズライセンス」についてはこちらのサイトをご覧ください。
https://creativecommons.jp/licenses/髪型・ファッション
髪型はヘアカタログサイトなどが参考になります。
ホットペッパービューティーなど有名どころで検索してみると見つかるかもしれません。
服装を検索する時は、「2023年秋冬トレンド ファッション」などのキーワードで検索するのがおススメです。
「最新ファッション」だけでも良いのですが、前年度以前の分も表示されるので今年流行のファッションを知りたい場合は西暦を指定するとより正確に検索することができます。
ちなみに昭和や平成など年号を入れると、その年代のファッションを調べることができるので、必要な場合は検索ワードに加えると良いでしょう。
通販サイトもその年の流行のファッションや服の組み合わせを見ることができるのでおすすめです。
うっかり購入ボタンを押さないように注意！
歴史もの・海外がテーマのもの
歴史ものや海外ものの依頼を受けた際は、時代背景なども同時に調べてから制作を開始しています。
「この時代に○○は無かった！」など、イラストや漫画を見た方に間違った情報を伝えないために、可能な限り情報や資料をいただけますと幸いです。
制作者側でも資料等集めますが、その資料が間違っていてはいけないので、トラブル回避のため依頼主側の方からの資料や情報提供をいただきたく存じます。
ちなみに、地元の昔話を制作する際にお世話になったのがこちらの本です。
こちらの本には和装の移り変わり（古墳時代から平成まで）や、髪型・小物、位による色の決まりなどについても解説されています。
興味を持たれた方はぜひご一読ください。
画像が見つからない時は？
「画像検索したけれど、自分が思っているようなポーズが見つからない！」
そんな時に提案したいのが、この2つの方法です。
自撮り
自分でポーズをとって家族や友人に撮ってもらうもよし、友人にポーズをとってもらい撮影するもよし。
画像検索で見つけにくいポーズは、スマホで写真を撮る方法も検討してみても良いかもしれません。
棒人間イラスト
このような感じでノートやメモ帳に描いていただいたものを写真に撮り、添付していただく方法もあります。
「写真は恥ずかしい」場合もこちらの方法でしたら心理的なハードルが低いのではないでしょうか。
Googleフォト・Googleドライブの画像を利用する方法
メモ帳にポーズを描いて写真を撮影した。
参考画像をスキャンしてGoogleドライブにあげた。
「けれどお問い合わせフォームにはるURLってどうやって手に入れるの？」
その疑問お答えしたいと思います。
Googleフォトの画像をはる方法
「スマホで撮影したものを添付したいけど、どうしたらいいの？」
お問い合わせフォームにはることができるのは、画像そのものではなくその画像のURLです。
こういうとますます分からなくなってしまうかもしれません。
スマホ等で写真を撮影し、Googleフォトに保存している場合はこちらの4ステップで添付用のURLを手に入れることができます。
①Googleフォトを開き、添付したい写真を選択します。
②共有をクリック
③リンクを作成をクリック。
④「リンクをコピーしました。他のアプリで共有できます。」の表示を確認し、コピーできたリンクをお問い合わせフォームのURL欄にはり付けます。
Googleドライブの画像をはる方法
Googleドライブにある画像のリンクをコピーし、お問い合わせフォームにはる方法です。
①Googleドライブを開き、マイドライブから添付したい画像を選択します。
②選択した画像の右上にある3点マーク(その他の操作)をクリックし、共有からリンクをコピーをクリックします。
③コピーしたリンクをお問い合わせフォームのURL欄にはり付けます。
以上がGoogleフォト、Googleドライブからの参考画像URL取得方法です。
簡単なのでぜひご利用ください。
著作権違反？「これはNG」な発注方法
「参考画像と全く同じものを制作してほしい」
こういったご依頼はNGとなります。
理由は著作権違反になるからです。
ダウンロードした画像をパソコンの背景画像にしたり、個人で楽しむ分には問題がないのですが、商用利用・または個人利用の場合でも商用利用と判断される場合があります。
個人利用でも商用利用と判断される場合とは、画像をアフィリエイトブログのアイコンやアイキャッチ画像として利用する場合です。
別名「成果報酬型広告」
自分で発信しているWebサイトやSNS、ブログなどで企業の商品やサービスを紹介し、ユーザーがその商品等を購入することで報酬が発生する仕組みのことです。
広告収入を得ることができるため、商用利用としてみなされてしまいます。
著作権法に違反すると、損害賠償や名誉回復などの措置に関わる請求が生じます。
そして何よりも信頼問題に関わりますので、著作権法違反にならないように気をつけましょう。
画像はあくまでも参考として提供し、依頼主と制作者とでオリジナリティのある作品を生み出しましょう！
著作権侵害の判断については、こちらのサイトで実例を交えて解説されています。
まとめ・参考画像を活用してイメージ共有をしよう！
イラスト・漫画を依頼する際、どんな参考画像を準備したらよいかについてお話させていただきました。
「参考画像もなにも、イメージがわかないよ」
表現したいものはあるけれど、言語化が難しかったり参考となるものを見つけることが難しいこともあると思います。
その場合は遠慮なくご相談ください！
しっかりと話し合い、方向性を決めてから制作を行います。
完成イメージの齟齬がないように、擦り合わせと確認を行いながらお仕事を進めていきますのでご安心ください。
こちらの記事では「日本財団灯台プロジェクト」のお仕事を受注した時の流れについてお話させていただいています。
ご依頼される場合の参考として読んていただけたら嬉しいです。
ゆとりある納期設定・早めのご依頼
どんなに簡単なイラストでも、ご依頼から完成までは1週間程度かかるため、ゆとりのある納期を設定していただけたら嬉しいです。
(ラフ・修正・仕上げ、そしてメール等での受け応えの時間含む)
複数の案件を抱えている場合もありますので、ゆとりのあるご依頼・ご相談をお願いいたします。
ご依頼主様と制作者側、お互いの意思疎通がうまくいくことでより良い商品ができあがります。
納期遅れなどを防ぐためにも、情報共有やこまめな連絡などを行って信頼関係を築いていきたいと思います。
この記事が読んでくださった皆さまの参考になったら嬉しいです！
ご依頼お待ちしております！
