学習教材・自治体㏚マンガ『漫画で知ろう 黒田五寸人参誕生物語』

長崎県大村市の特産品、『黒田五寸人参』をPRするための漫画を制作させていただきました。
今回の記事では『黒田五寸人参の歴史~種をつなぐ手』の漫画制作の流れについて、こちらの3点を中心に解説いたします。
- この物語が誕生した背景
- 制作の流れ
- 制作にあたり注意、工夫した点
こちらの漫画は、大村市役所のホームページ内にある『特産品/黒田五寸人参』で読むことができます。
JAながさき県央のホームページにも掲載されていますので、ご覧になっていただけたら嬉しいです。
またこちらの記事では、地元PRにつながるマンガ制作について解説しております。
ご一読いただけたら幸いです。
『黒田五寸人参の歴史~種をつなぐ手』について
大村市の特産品である『黒田五寸人参』。
しかし、その原種を育成する方々は年々減り続け、現在の会員数は4名。
このままでは『黒田五寸人参』の原種がなくなってしまうのではないかと危ぶまれています。
私がそのことを知ったのは、子どもの授業参観の時でした。
大村市では小学生が地元の特産品である『黒田五寸人参』について学ぶ授業があります。
実際に栽培しながら、黒田五寸人参の特性や歴史について学ぶものです。
授業参観の日にJAながさき県央の担当の方が話されていた内容を聞き、私は衝撃を受けました。
イラストレーターとして私に貢献できることはないだろうか。
そして黒田五寸人参を周知してもらうための漫画制作を思いつきました。
JAながさき県央の担当の方に提案を行い、無事賛同いただくことができました。
- 黒田五寸人参について知らない方
- 黒田五寸人参のことは知っているけれど誕生までにどんな歴史があったのかは知らない方
老若男女問わずたくさんの方に読んでいただけたら嬉しいです。
制作の流れ
こちらの流れで今回の漫画制作は進めさせていただきました。
- 資料・情報収集
- プロット作成
- シナリオ作成
- キャラクターデザイン
- ネーム作成
- 下描き
- 線画・着彩
- 清書
- 納品
一番苦労したのは、プロット作成とシナリオ作成です。
史実に基づきながらも、子どもたちが読みやすい漫画表現になるように試行錯誤いたしました。
資料・情報収集
ここでは、大村市特産品「黒田五寸人参」について集めた資料や情報収集したことについて解説いたします。
資料集めで最も注意した点は
実在する人物、実際にあったことを伝えるため、間違いや嘘があってはならない。
ということです。
大村市やJAのホームページに載せることはもちろん、子どもたちの学習教材としての利用も視野に入れておりましたので、誤った情報を伝えることがないように細心の注意をはらいました。
集めた資料について
黒田五寸人参の歴史・栽培方法について
原種育成会の方に提供していただいた資料『長崎県黒田五寸人参原種育成会の歩み』を中心に、以下のサイトも参考にさせていただきました。
- 大村市ホームページ
- NHKニュース記事
- ”JAグループ長崎”ながさき県央
- 大村市中学校給食センター
昭和初期の農機具・衣服について
東彼杵町歴史民俗資料館「歴史公園 彼杵の荘」
東彼杵町にあるこちらの資料館は、道の駅と併設されている施設です。
資料館に行く道のわきには、ひさご塚古墳と明治時代の民家の展示もあります。
マンガではあまり登場させることができませんでしたが、こちらにあるギャラリーコーナー(民具・農機具展)では明治時代から昭和初期に一般に家庭で使われていた品物を見ることができます。
ご興味のある方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。
マンガ内には使用しなかったのですが、黒丸地域の土壌についても調べました。
黒丸地域は特徴のある黒ボク土です。
調べていく中で分かったことは、黒ボク土が地球上の全陸域の1%未満という希少な土であるということでした。
日本国土の約3割が黒ボク土です。
「そんなに希少なものだと知らなかった」と思う人がほとんどなのではないでしょうか。
しかも、黒丸地域は約40万年以降噴火記録がないにもかかわらず黒ボク土という、本当に希少なものであることが分かりました。
黒ボク土の土壌になる条件についてご興味のある方は、一度『黒ボク土・黒丸地域』などのキーワードで調べてみることをおすすめいたします。
プロット作成
プロットを作るにあたって重要視したのは、
「史実に基づきながらも子どもが興味をもつことができるようなストーリーにする」
ということでした。
主な読者が小学生になると考えた理由は2つあります。
- 大村市内の小学校で黒田五寸人参に関する授業を行っているということ(実際の栽培から歴史まで)
- 黒田五寸人参についてマンガで視覚的にまとめたものはない。
マンガにすることで子どもたちが理解しやすくなり、学習教材として学校の授業でも利用してもらえるのではないか?
そう考え、読者と伝えたいことの視点を合わせることを第一にしてプロットを作成しました。
シナリオ作成
プロットを基にシナリオ作成を行いました。
当初はストーリーの中に栽培方法も描き込んでいく予定でしたが、ストーリー編と種・人参そのものの栽培方法を分けることにしました。
理由は、本編ストーリーに栽培方法を一緒に描き込むと話の内容がごちゃついてしまい、読みにくくなってしまうからです。
原種育成会の方々やJAながさき県央の担当の方にも相談し、3つのパートに分けることにしました。
- 本編ストーリー
- 栽培方法:実
- 栽培方法:種
3つのパートに分けることで、読みたいパートだけを読むことができるようにすることができました。
シナリオ作成で気をつけたこと
- 子どもにも伝わりやすい表現の文章にする
- 主な読み手となる小学生が感情移入しやすいようなセリフにする
黒田五寸人参誕生の歴史をストーリー編として描きました。
おおまかなあらすじはこんな感じです。
「現代の小学生が黒田五寸人参が誕生する少し前にタイムスリップしてしまう」
タイムスリップするというアイデアは、友人の何気ない一言からいただきました。
どうやってタイムスリップさせるか、そして現代に戻すか色々と悩みました。
どんなストーリーか気になる方は、ぜひ一度ご覧になって下さい。
キャラクターデザイン
黒田氏は昭和10〜20年代の農民の方を基にデザインし、主人公とクラスメイトは現在の小学5年生をモデルにして作成しました。
黒田正氏の年齢は50代という設定にしております。
その理由についてお話させていただきます。
黒田正氏の年齢についての資料はありませんでした。
黒田五寸人参の品種改良が行われていたのは、昭和10年から20年代にかけて。
つまり戦時中です。
調べたところ兵士として招集されていたのは、17歳から45歳までとありました。
戦時中に招集されていないということは、招集の年齢である45歳以上ではないかと推測いたしました。
昭和10年から20年代の写真を確認したところ、戦時中ということもあり、服も破れを補修しながら大事に着ていたということが分かりました。
黒田氏が背負っているこのカゴは、『背負籠(しょいかご)』と言います。
収穫したものやお弁当などの荷物を入れて運んでいたそうです。
ストーリー、キャラクターデザインもOKをいただき、ここから本格的なマンガ制作に入っていきます。
ネーム作成とテキスト配置
シナリオを基にネームを描いていきます。
キャラクターの配置やシーンの設定と同時に、セリフやモノローグなどのテキストも併せて配置していきます。
ここで気をつけたことは
- 漢字には全てルビをふること。
- 文字数を抑えながら正しい情報を伝えること。
※説明が多くなりすぎると文字数が増え圧迫感が出るため。
それぞれについて解説していきます。
- 漢字全てにルビをふったのは、まだ漢字を習っていない子どもでも読めるようにと考えたからです。
- シナリオ作成の段階では問題ないと思われた文章も、ネームにすると文字数が多かったり、キャラクターに合っていないと感じることがあります。
ネームの段階で再度推敲を行い、より読みやすいものにいたしました。
※推敲前、推敲後両方の原稿を確認していただいてから制作を進めております。
下描き(ラフ画)
ネームとセリフの確認後、下描きに入ります。
大幅な修正は下描きの段階で伝えていただくようにいたしました。
ここで大切だったのが黒田五寸人参の形です。
一般的な先端がとがった形ではなく、黒田五寸人参の尻部は丸みを帯びているという特徴があります。
味や色もそうですが、形もこだわって栽培されてきたことがわかります。
線画・着彩
今回は線画の確認は不要ということでしたので、線画後着彩したものをご確認いただきました。
まず最初の1ページ目を着彩したものを見ていただき、色合いの確認を行いました。
全てのページを着彩後
「イメージが違う」
上記のような申し出があった場合、全てのページを修正する必要が出てくるからです。
色合いの確認を行うことで、修正の回数を減らすことができます。
着彩時に大切にしたのは黒田五寸人参の色です。
黒田五寸人参は一般的な人参のイラストで使われている「オレンジ色」ではありません。
試行錯誤を重ねて、こちらの色になりました。
原種育成会の方々やJAながさき県央の担当の方にも、満足いただける人参を描くことができました。
清書・納品
全てのページの着彩後、確認を行っていただきました。
指摘があった箇所の修正を行い、納品させていただきました。
制作にあたり工夫したこと
こちらの『黒田五寸人参誕生物語』は子どもたちの学習教材としての利用も視野に入れて制作いたしました。
他の項目でもお話させていただいたのですが、特に注意したのはこちらの4点です。
- セリフ等、子どもにも伝わりやすい表現にする。
- 読み手の立場に立って考える。
黒田五寸人参の歴史と栽培方法を分けることで、「栽培方法を知りたい時はこのページを読む」など読みたい時に読みたい話を読めるようにした。 - 漢字にはルビを振る。
漢字を習っていない子どもにも読んでもらえるようにするため。 - 実在する人物、実際にあったことを伝えるため、間違いや嘘があってはならない。
嘘がなく、説明不足でもなく、そのうえで子どもたちが読みやすい漫画になっていたら嬉しいです。
ご依頼について
今回の漫画のように、1つのテーマから漫画を制作することもできます。
「シナリオを書くのは難しい」
などお悩みがありましたら、一度ご相談ください。
ご依頼についての流れはこちらをご確認ください。
料金について
今回の漫画制作の料金の公開は控えさせていただきます。
ご依頼いただいた際の料金については1ページ当たり3~6コマ、4コマ漫画で10,000円からとなっております。
シナリオの有無しによっても価格は変わります。
キャラクター3体分込みの料金です。
詳細はこちらからご確認ください。
お問い合わせについて
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すぐにお返事が出来ない可能性がございますが、2営業日以内にお返事させていただきます。
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